【「〜してほしい」は依存?それとも願い?】

人との関係の中で
ふと、こんな気持ちになったことはありませんか?

「もっとわかってほしい」
「私の気持ちに寄り添ってほしい」
「どうしてあの人は、気づいてくれないんだろう」

そんな「〜してほしい」が心に浮かんだとき、
ちょっと苦しくなったり、相手を責めたくなったり、
時には自分を責めてしまうこともあるかもしれません。

でも、ちょっと待って。
「〜してほしい」は、悪いことではありません。

「〜してほしい」は、心のSOS

「してほしい」という気持ちは、
じつはとても自然で、人間らしい心の動きです。

誰かにわかってもらえたとき、
寄り添ってもらえたとき、
人は心から安心し、癒されます。

だから、「してほしい」と思う自分を責めなくていいのです。

ただ、そこに“苦しさ”や“怒り”が伴うときは、
「相手に満たしてもらわないと、わたしは満たされない」
という状態になっているかもしれません。

「依存」と「願い」の違い

心の在り方特徴受け取る感覚
健やかな願い気持ちを自分の言葉で伝えられる叶わなくても、自分を大切にできる
依存的な期待相手が満たさないと怒りや無力感になるコントロールしたくなる/自己否定につながる

とても繊細なところですが、たとえば、
「わかってほしい」は願いだけど、
「わかってくれないなんてひどい」と変化したとき、
それは“願い”が“期待”になり、“期待”が“依存”に近づいたサインかもしれません。

わたしもそうでした

実は私自身も、かつては
相手の“行動”にばかりフォーカスしていた時期がありました。

「こう言ってくれたらうれしい」
「こんなふうに接してくれたら安心できる」

そんなふうに、
相手の行動が変われば、自分の気持ちが変わると思っていたんです。

行動を求め、改善を願っていたけれど、
本当はその奥に・・・

「わたしの気持ちを受け止めてほしい」
という願いがありました。

けれどわたしは、相手の気持ちをくみ取ることよりも、

自分が気持ちよくなるために、相手を変えようとしていたのだと気づきました。
さらに「同じ苦しみを感じてほしい」という*復讐に似た気持ちもあったことに気づきました。

それは決して悪いことではなく、
自分の気持ちを大切にしたい、という心からの叫びだったのです。

この気づきは、「〜してほしい」という言葉の奥にある本当の想い
光を当ててくれるきっかけになりました。

では、どうしたらいい?

そんなときこそ、大事なのが自分への問いかけです。

「「わたしの大変さをわかってほしい」という気持ちが出てきたら、
→「なんのために、この気持ちが出てきたの?」と聴いてみてください。

その問いを立てることで、
苦しみの奥にある本当の望みが見えてきます。

「わたし自身が、気持ちよく過ごしたい」
「相手といい関係でいたい」
「もっと安心して日々を過ごしたい」

そんな、やさしくて素直な気持ちが
きっと、心の中から顔を出してくれるはずです。

日常の中の「〜してほしい」事例

●事例①:パートナーとの会話で
「仕事で疲れて帰ってきたのに、今日は一言も労ってくれなかった」

→この気持ちの奥には
「ねぎらってほしい」「大切にされていると感じたい」という願い。

でも、伝えずに我慢し続けてしまうと…

「どうして私ばっかり気づいてるの?」
「こんなに頑張ってるのに、なんでわかってくれないの?」

という怒りに変わることも。

依存になると:「あなたはわたしを労うべき」
自立した願い:「わたしは“おつかれさま”って言われると、とても嬉しい」

●事例②:子どもとの関わりで

「ありがとう」って言ってほしい。
「片づけてくれたら助かるのに…」

「ありがとう」って言ってほしい。
「片づけてくれたら助かるのに…」

→その裏には「頑張りを認めてほしい」「協力し合いたい」という願い。

依存になると:「どうしてあなたは手伝ってくれないの?」
自立した願い:「私は一緒にやってもらえると、心が軽くなる」

だからこそ、大事なのは…

「〜してほしい」と思ったとき、
それをそのままぶつけるのではなく、
自分が本当は何を感じ、何を望んでいるのかに目を向けること。

そしてそれを、
「わたしは〜と感じる」「〜するとわたしは安心できる」
というように

“主語を自分にする”と、相手にも届きやすくなります。

自分を満たせるのは、いつだって自分なのです。

もし今、
「〜してほしい」と思う気持ちが出てきたら、
こう問いかけてみてください。

「なんのために、この気持ちが出てきたの?」

きっと優しい未来につながる大切な願いが
出てくるはず。

相手に伝える時は「わたし」を主語
自分の心のグラスは自分で満たしている状態で
話してみると「願い」として伝わるとわたしは思います。

まとめ

「〜してほしい」という想いは、
あなたの中にある“つながりたい”という愛のサイン。

けれど、それをそのまま相手にぶつけてしまうと、
相手も自分も苦しくなってしまうことがあります。

だからこそ、まずはこう問いかけてみてください。

「なんのために、この気持ちが出てきたの?」

その答えはきっと、
あなたの内側にある「やさしい願い」です。

人は、誰かに満たしてもらえなくても
“自分で自分を満たす力”を持っている。

そのことを思い出せたとき、
「〜してほしい」が「自分を大切にするきっかけ」に変わります。

そしてもうひとつ、
こんな風に捉えてみるのもいいかもしれません。

「わかってほしい」という気持ちは、
“自分の内なる存在”が、ほの誰かではなく、自分自身に向かって言っているのかもしれない。

「ねぇ、わたし、こんなにがんばってるよ」
「こんなに苦しかったの、気づいて」
「もっとわたしに、やさしくして」

そんなふうに、心の奥から声が聞こえたら、
まずはその気持ちに自分が応えてあげること。
それが何よりの癒しになります。

これまでずっと頑張ってきたのですから
優しく優しく、自分を抱きしめて丸ごとOKのサイン”よしよし”を伝えてみましょう。

*復讐の傷についてはここでは詳しく説明していませんが
心当たりがある方はお問い合わせくださいね


今日の質問

Q 今年も半年過ぎて、これまでの自分へかけてあげたい言葉はなんですか?

下欄に、あなたのお答えを教えてくださいね〜

大切に読ませていただきます。

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