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読書会レポート|星の王子さま。あなたが見てみたい、見えないものは何ですか?

この本で読書会をしたい。
ずっとそう言っていただいていました。


かなり、お待たせしてしまって。


この日は、ある学びの仲間たちと
4人で読みました。


今回の読書会レポートをお届けします。


4人で、同じ一冊を読みました




いつもはテーマだけ決めて、
本は各自が持ち寄ります。


今回は、みんなで同じ一冊です。


『星の王子さま』
サン=テグジュペリ 著


面白いことに、訳が2種類ありました。


河野万里子 訳(新潮文庫)が3人。
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ドリアン助川 訳(皓星社)がわたし。
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同じ場面を読み上げると、
言葉がちょっとずつ違うのかもしれません。


言葉にできないことを、言葉にする。
きっとこの本を訳すのは、勇気がいることと思います。


それなのに、訳者が違っても
大切な要素はきっちり訳されている。


そこがすごいです!


読み終わった時、どうなっていたら最高ですか?




この読書会は、
この問いから始まります。


「お手元の本を読み終わった時、
 どうなっていたら最高ですか?」


読む前に、ゴールを決めておく。それだけで、拾えるものが変わります。
「『いちばん大切なものは目に見えない』。
 あの言葉を、感じることができたら。


 心の中で言葉になるかどうかは
 分からないんですけど、
 何かジワーンと感じたらいいなと」


「読んだ後に、帽子の絵を見て、
 『これは象を飲み込んだウワバミだ』と
 思えるようになったらいいです」


「懐かしさと新しさがミックスされている、
 そんな感情が湧き起こればいいなと思います」


なぜ、この本が今ここにあるのでしょう?




次に、こう聞きます。


「なぜこの本が、
 今ここにあると思いますか?」


ひとりの方が、こんな話をしてくださいました。


「今、メールのやりとりをしているんです。


 この本を読む前は、
 相手を探ろうとか、
 テクニックを使うような自分が
 いた気がするんですよね。


 読んだ後は、素直に返事が書けるようになって。
 始めた頃の新鮮な気持ちを思い出しました。


 そうしたら、相手の方の反応も
 変わってきたんです」


それを聞いていた方が、こう言われました。


 「心がギューッと閉じこもっていた、
 その外側の殻が外れた感じ。
 素のままのあなたが出ている感じです」


一冊の本が、誰かへの返事の書き方まで変えてしまう。そんなことが、起こるんですね。
別の方は、
「浮かんだのは『浄化』。


 この本って、年月を経ると
 受け取るものが変わるんですよね。
 ふとした時に、言葉が出てくる。


 とても薄い本なのに、
 中で変化を及ぼす。不思議な本です」と。


わたしは


「目に見えないけど、ここにある。
 すべては在る。


 そのことを、改めて確かめるために
 あるのかなと思いました」だと。


本に、質問を投げかけてみる




読む前に、もう一つ。


「その本に質問を投げかけるとしたら、
 どんな質問をしますか?」


本に質問をする。
あまりしないですよね。


これをやっておくと、
読むときの視点が変わります。


「バオバブの木って、なんだろう。
 ほっといたら取り返しのつかないことになる、
 あのバオバブです。


 いろんなバオバブがあると思うんですよ。
 自分の人生のバオバブは何か、
 書いてみたらいいですよね」


「なぜ王子さまは『砂漠は美しい』と言うのか。


 もう何年も、この本から
 『目に見えない大切なこと』って何だろうと
 知りたかったんです」


「この本が、宝物になるような気がして。
 その宝物は、なんだろう」


「本当は、誰に届けたい本なのですか」


同じ本なのに、拾う言葉が違いました




この読書会では、
数分だけ本をめくって、
目に留まった言葉を書き出します。


その前に、自分で作った問いを
心の中でもう一度読み上げる。


今回は、4人が同じ本です。


さすがに重なるだろうと
思っていました。


ところが。


「大人は数字が好きだから、
 新しい友達のことを話しても、
 いちばん大切なことを何も聞かない。
 何歳、何人兄弟、何キロ、そんなことばかり」


「トゲなんて何の役にも立たない、
 花の意地悪以外の何ものでもない。


 それに対して王子様が言うんです。
 『花は弱いんだもの。何も知らない。
 でもできるだけのことをして自分を守ってる。
 トゲがあればみんな怖がると思ってるんだよ』」


「人は洒落たことを言おうとすると、
 つい嘘が混じってしまうことがある」


「もしも誰かが、何百万もある星のうち、
 たった一つに咲いている花を愛していたら、
 その人は星空を見つめるだけで幸せになれる」


「子どもたちだけが、
 自分たちの探しているものを知っているんだね」


「僕は、あなたが休みたい時に
 休める方法を知ってるよ」


ほとんど重なりませんでした。


欲しい答え、欲しいメッセージが、それぞれちゃんと選ばれている。同じ本でも、あなたが拾う言葉は、あなたにしか拾えないものでした。
そんなにすごい言葉じゃないんです。


それなのに、響くものがある。
そこが不思議。


問いを持って読むと、答えのほうから出てきます




この日、心が動いたのは
ここでした。


「なぜ王子さまは『砂漠は美しい』と言うのか」。


そう問いを立てた方が、
2回目に読書をしたときに
こんな一文を見つけました。


「家や星や砂漠を美しくしているものは、
 目に見えない」



何年も知りたかったことの答えが、
自分でめくったページから出てきた。


「納得しました」と。


問いを持っていたから、
その一文が目に飛び込んできたのだと思います。


一言で紹介するとしたら




最後に、
「この本をお友達に紹介するとしたら、
 一言で何と言いますか?」


「使っていると固くなってくる体、
 筋肉みたいな感じで。
 固くなった心をもう一回
 柔らかくほどいてくれる本だよ」


「すごくいい本だけど、1回目はわからないよ。
 2回目でなんとなく、
 3回目でやっと『ああ、そうか』と思ったよ」


「日常からちょっと離れて、
 地球を遠くから見るような視点があるよ。
 世界が広がるような気持ちになれるかも」


「毎回、感動が変わる。
 一生楽しめる本だよ」


この時間で生まれた魔法の質問




読書会の中で、参加者が
自分で作った「魔法の質問」です。


魔法の質問とは、
答えた人にとって
気づきが生まれるような質問のこと。


クイズでも、興味本位の質問でもありません。


❶ この本を読んだ後で、あなたの頭の中に浮かんだ大切なものは、何ですか?


❷ 王子さまは、大人に何を伝えたかったと思いますか?


❸ 「ずっとまっすぐ行っても、そんなには遠くへ行けない」としたら、あなたは今、どうしますか?


❹ あなたが見てみたい、見えないものは何ですか?


頭の中に浮かんだ、大切なもの




「この本を読んだ後で、
 あなたの頭の中に浮かんだ
 大切なものは、何ですか?」



「言葉や目に見えるものだけじゃなく、
 してくれたこと。
 愛情を感じることです」


「自分がどう感じ、どう考えるのか。
 答えは自分の中にある、ということです」


「子どもの頃の純粋な気持ち。
 やってみたいと思うこと、行動することです」


「素直な心、うぶな心。
 家族などは当然あるんですけど、
 それを飛び越えたところで言うと、
 うぶな心とか、素直な心です」


王子さまは、大人に何を伝えたかったのでしょう




「王子さまは、大人に何を
 伝えたかったと思いますか?」



「見えるものや聞こえるものに、
 惑わされないで、ということ」


「目に見えるものだけにとらわれずに、
 もっと心で大切なものを感じて、気づいて」


「子どもの頃、どんなことに喜んだり
 悲しんだりワクワクしたか。
 その子どもの時の心を、
 大人に伝えたかったのかなと思います」


ひとりの方は、
本の冒頭のことを話してくださいました。


「『寒い思いをしている友人に捧げる』
 『その人の子どもの頃に捧げる』と
 書いてあるんですよね。


 こんな人もいる、あんな人もいる、
 でもいつかはみんなこうなるよ。


 寂しくなっちゃうけれど、
 そこに行けばみんな、
 またいつでも会えるから。


 だから生きていこうね、と
 励ましているのかなと思いました」


わたしの答えは


「子どもの純粋さは、
 大人の目に見えないものを
 ちゃんと見つけることができるよ。
 そういうことなのかなと思います」


まっすぐ行っても遠くへ行けないとしたら




「『ずっとまっすぐ行っても、
 そんなには遠くへ行けない』としたら、
 あなたは今、どうしますか?」



「無理して進むよりも、体を休めて、
 寄り道をしながら進んでいきたいです」


「僕はずっとここにいて、
 楽しく暮らしているから大丈夫だよ、
 と言うと思います」


「もっと今を充実して、
 今をしっかりと生きていきたいです」


遠くへ行けないとしたら、と聞かれて。誰も、焦る方向へは行きませんでした。

見てみたい、見えないもの




「あなたが見てみたい、
 見えないものは何ですか?」



「SFの世界が見てみたいです。


 人の言葉とか、言動とか、行動とか。
 外側が全くなくなって、
 人のハートだけの世界。


 単純に、ハートが大きいか
 小さいかだけの世界。
 そんな世界に一度行ってみたいなと」


「亡くなった肉親。母とか、
 おじいちゃん、おばあちゃんとか、恩師とか。
 そういうものを見てみたいですね」


「わたしも、亡くなった人です。
 もう会えない人に会いたい」


同じ問いなのに、
ふたりの行き先が重なりました。


線でも読めるし、点でも読める




最後に、感じたことを聞きました。


「この本は、線でも読めるし、点でも読める。


 物語として線で読む時の味わいと、
 こういう読書会でみんなのシェアを聞きながら、
 ポイントポイントで点を紡ぎ出して読む面白さ。


 2つの面白さがある本だなと思いました」


「この本は、何度も何度も言葉が
 時折突然浮かんでくるんです。
 自分の中で何度も響く本。


 でも、いつもぼやーんとしていて。
 今日みんなと読んだから、
 『ああ、そういうことかな』と
 少し思えました」


「勧めてくれた友達は、
 そんなに読書のイメージのある子では
 なかったんです。


 なんでその子がこの本を読んだのかな。
 なんでわたしに勧めてくれたのかな。


 そこにすごく興味が出てきました。
 よく会う友達なので、聞いてみようと思います」


わたしが感じたことも書いておきますね。


タイトルだけ見ると、
可愛らしい、簡単な本のような気がします。


それなのに、伝えてくれているメッセージは、
今のような社会、AIが進んでいるこの世の中に対して、
人類に何か投げかけている大きなものなのかな、と。


最後に、本を持って




同じ一冊なのに、
手元にある本の表紙が、
それぞれ違います。


今日のしつもん




あなたが見てみたい、
見えないものは何ですか?


わたしの答えを置いておきますね。


世界の人が、本人も気づいていない、
世界を変えるくらいの力を持っている。
その可能性を見てみたいです。


あなたのお答えを
教えていただけると嬉しいです。


問いを持って、めくるだけ




この読み方は、ひとりでもできます。


本を読んでこなくても大丈夫。


読む前に、その本へ質問を投げかける。
そして数分、ページをめくる。


それだけで、自分が知りたいことのほうから
目に飛び込んできます。


この日も、お仕事で遅れて
合流された方がいました。
それでも、ちゃんと言葉が出てきます。


一人で読むのとは違う、
自分の中にある答えと出会える時間でした。


生まれたしつもんを、置いています




この読書会で生まれたしつもんを、
いつでも取り出せるページにしました。


これまでの4回分、21のしつもんです。


生まれた魔法のしつもん


みなさんの答えは載せていません。
生まれたしつもんだけを置いています。


最後まで読んでくださって
ありがとうございました。


2件のコメントがあります

  1. かつまたのぶこ

    いつもありがとうございます。心が癒される読書会ですね。本が大好きですけど、もっと本が好きになったかも。

    1. yukikoshitsumon

      ノブちゃん
      コメント嬉しいです。ノブちゃんがこの本をリクエストしてくださったから、こんなに素敵で深い時間を過ごすことができました。
      本当にありがとうございます。わたしも子どもの頃から本好きです。昔読んだ本、またみんなで読みたいなぁと思いました。

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