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「しっかりしなきゃ」に疲れているママへ

——親も子どもと一緒に成長中でいい

子育て・自己肯定感

「しっかりしなきゃ」に疲れているママへ

——親も子どもと一緒に成長中でいい

「ほっとしました」——セッションを終えたあるママが、表情をふっとほぐしながらそう話してくれました。その言葉が、ずっと胸に残っています。

「しっかりしなきゃ」——その重さ、気づいていますか?

親になった瞬間から、いつの間にか、見えないプレッシャーがのしかかってきます。「ちゃんとしなきゃ」「子どもより先に知っていなきゃ」「答えられない自分はダメな親だ」——そんな声が、頭の中でずっと鳴り続けていませんか。

わたし自身のことですが、子どもに何かを聞かれて答えられなかったとき、少し自分を責めてしまったり、「もう、聞かないでよ!」と思いながら無視をしてしまっていました。「しっかりしなきゃ」と思うたびに、焦りが積み重なっていく。

もし、そういう経験があるなら、少し気持ちが軽くなるかもです。

先日、親子向けのセッション「忍者マスター」を行いました。

忍者マスターとは

黒忍者 感情的に反応してしまう「子どもの自分」。脳の仕組みによって生まれる、衝動的な部分。
白忍者 ルールや「こうあるべき」を押しつける「親の自分」。しっかりしようとしすぎる部分。
忍者マスター 状況を俯瞰して、自分で行動を選べる「大人の自分」。目指したい在り方。

脳の仕組みによって、わたしたちは自分の意思とは違う行動や考え方をしてしまうことがある。それを「自分がダメだから」ではなく「脳の仕組みだから」と理解し、自分で行動を選べるようになることを目指す親子プログラムです。

そのセッションに参加してくれたあるママが、終わったあとにこんな言葉を口にしてくれました。

「忍者マスターもまだ赤ちゃんなんだってわかって、ほっとしました」

そのとき、ママの表情がふっとほぐれたのが伝わってきました。セッションの中でも「赤ちゃんなんですよね」と確認するように何度も繰り返していた姿が印象的でした。ずっと「しっかりしなきゃ」と頑張り続けてきた人が、やっと力を抜けた瞬間のように見えました。

なぜ、ママは「しっかりしなきゃ」と思い続けてしまうのか

子どもが生まれた瞬間から、多くのママの中に「もう完成しておかねばならない」という感覚が芽生えます。育児本を読み漁り、発達段階を勉強して——やってもやっても、「それでも知らないことがある自分」への罪悪感も大きくなっていく。

これは心理学で「インポスター症候群」Clance & Imes, 1978 と呼ばれる状態に近いものです。「いつか”ちゃんとできていない自分”がバレるのでは」という恐怖感が、「しっかりしなきゃ」というプレッシャーとして現れます。まさにわたしが、これでした。

忍者マスターの言葉で言えば、これは「白忍者」が「黒忍者」を責め続けている状態です。「こうあるべき親の自分」が、できていない自分を裁き続ける。でも、そもそも——

わたし達は「親」になった日から、親としての経験はゼロだったはずです。
「しっかりした親」に、最初からなれる人なんていないのです。

親も子どもと一緒に成長中

発達心理学者のエレン・ガリンスキーは、親もまた子どもと同じように段階を踏んで発達していく存在だと言っています。Galinsky, 1987

つまり、親になることは「完成した大人が子どもを育てる」のではなく、「親と子どもが一緒に育っていくプロセス」なのです。

忍者マスターも同じです。「忍者マスター=完成した状態」ではなく、今も気づき、今も学び、今も育っている——だから赤ちゃんなのです。

「しっかりしなきゃ」じゃなくて、「一緒に育っていけばいい」。
その許可が、彼女の表情をふっとほぐしたのだと思います。

「しっかりしていない姿」が、子どもへの最高の教育になる

「わからないから一緒に調べよう」というひと言は、子どもに次のことを無言で教えます。

1わからないことは、恥ずかしいことじゃない
2調べることで知識は増やせる
3大人だって、ずっと学び続けている

「しっかりしていない姿」を見せることが、子どもの自己肯定感の土台になる。そう思うと、少し力が抜けませんか。わたしもこれを知っていればよかったのに・・・

「完璧な親」を目指すことの、意外な落とし穴

小児科医・精神分析家のウィニコットは「十分によい母親(Good Enough Mother)」という言葉を残しています。完璧な母親ではなく、失敗しながらも子どもの気持ちに向き合い、修復しようとする存在が、子どもの健全な発達を支えるというものです。

いつもしっかりしている親を見て育った子どもは「わたしは、こんなにできていないのに」と感じることがあります。幼少期のわたし自身も、完璧な母の姿を見て、「わたしは無理」と心の中で言ってました。一方、親が迷ったり失敗したりする姿を見て育った子どもは「ママだって間違えることがある。だからわたしも、間違うことあるよ。」と思えます。

「しっかりしなきゃ」と頑張り続けることが、
子どもから「失敗すれば、やり直せばいい。失敗は経験なんだ」という気持ちを奪っているかもしれない。

今日から始める、3つの小さな実践

1. 「わからない」を声に出す習慣を作る

毎日1回、子どもの前で「これはわからないな」と声に出してみてください。「あの虫の名前、ママ知らない」「この言葉の意味、調べてみようか」——小さなことで十分です。

2. 「答え」より「一緒に考える時間」を優先する

すぐに答えを出そうとするのをやめてみましょう。「どう思う?」と聞き返す。図鑑やスマホで一緒に調べてみる。正しい答えよりも、一緒に考えてくれたこと——それが子どもの記憶に残ります。

3. 自分に「まだ成長中でいい」と言う時間を持つ

寝る前の5分でいい。「しっかりしなきゃ」ではなく、「今日もよくやった」と自分に言ってみてください。自分に優しくすることが、子どもへの余裕につながります。

親も、まだ赤ちゃん

そのセッションで、わたしはこう話していました。「忍者マスターは完成した存在じゃない。今も育っている。まだまだ、赤ちゃんなんです」

黒忍者も白忍者も、どちらもわたし達の中にいる大切な部分です。命を守るために必死なのです。それを否定するのではなく、「あ、今また白忍者が『しっかりしなきゃ』って言ってるな」と気づける自分——それが忍者マスターへの道です。

「しっかりしなきゃ」に疲れているなら、それはそれだけ真剣に向き合ってきた証拠です。

もう少し力を抜いて、休んでいいんです。一緒に楽しんでいきましょう。

この記事のまとめ

「しっかりしなきゃ」はインポスター症候群的な恐怖感。事実ではない
親も子どもと一緒に発達する存在——最初からしっかりできなくて当然
「迷う姿・知らない姿」を見せることが、子どもへの最高の教育
「十分によい親」で十分——完璧な親より、一緒に育つ親でいい

あなたは今日も、これまでも、よくやっておられます。
自分を優しく抱きしめて「ヨシヨシ」してくださいね。

このブログでは、子育てのリアルな現場から気づいたことや、
忍者マスタープログラムについてお伝えしています。

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